プラナリアという生物がいます。
※画像は wikipedia より引用
プラナリアの自己再生能力は有名なので、知っている方は多いと思います。
プラナリアは、いくつに切断しても、切断した断片の全てが、頭や尾っぽを再生して、完全な個体として再生するのです。
以前、NHKだったと思うのですが、「なぜ、切断した断片の頭側に頭が再生され、尾っぽ側に尾っぽが再生されるのかが解明されたという番組をやっていました。
細かいことは覚えていないのですが、
プラナリアの体内には、常にある物質の流れがあり、その流れによって、頭と尾っぽの区別をして再生している
といった内容だったと思います。
その理論を応用して、断片の頭側も尾っぽ側も頭を再生させたり、逆に、頭側にも尾っぽ側にも尾っぽを再生させたりしていました。
そんなプラナリアに関するおもしろい記事を見つけました。
研究チームはプラナリアが餌を見つけることを覚えたことを確認した後、プラナリアの頭を切り落とし、2週間かけて完全に再生させた。そして、切断される前と同じ実験を行った。
すると、そのプラナリアは明るい場所が安全であることを覚えており、餌も安易に見つけ出すことが出来た。
つまり、脳を有する頭部が切断されたのにもかかわらず、頭部の再生したプラナリアは以前の記憶を有していたのだ。
首を切断された『プラナリア』は頭の再生と同時に記憶も再生される事が明らかに
※元の記事 : Decapitated Worms Regrow Heads, Keep Old Memories – News Watch
私は、「遺伝を、世代をまたいで、記憶が伝達されていく現象」と理解しています。
この記憶は、「出来事に関する記憶」と捉えると受け入れにくいところがあります。
しかし、「自分が過ごした環境で生きていくための情報」と漠然と考えれば、そのようなことが起こっていてもおかしくないと思えるのではないでしょうか?
「それぞれの個体が生きる中で得た情報の蓄積によって、進化が起こる」と考えることは、そんなに違和感はないように思います。
逆に、そう考えなければ、遺伝や進化の意味が分からなくなってしまいます。
しかし、こう考えるに当たって、ずっと、疑問に思っていたことがあります。
記憶が脳に蓄積されるとすると、「私たちの経験による進化のための記憶はどのようにして、精子や卵子の中に組み込まれるのだろう?」、この問いに対するヒントを、ホログラフィックという考え方が与えてくれました。
以前、ホログラフィック・ワールド!?という投稿で紹介した投影された宇宙―ホログラフィック・ユニヴァースへの招待という本では
記憶は脳のどの部分をとってみても、全体性を保っている
と紹介されていました。
もう少し説明すると、例えば、「A」という記憶があったとします。
このとき、脳のどの部分をとっても、「A」という記憶があるのだそうです。
逆に言えば、脳のどの部分をとっても、そこには、「その人の記憶の全体がある」ということになります。
更に、記憶は、脳に限ったものではなく、全身にも及ぶのだとか・・・。
信じ難い話ですが、そのような考え方もあるようなのです。
そして、今回のプラナリアの記憶に関する情報です。
この情報は、ホログラフィックという考え方を裏付けているように思えます。
これらの情報は、私の疑問、
- 「私たちの経験による進化のための記憶は、どのようにして、精子や卵子の中に組み込まれるのだろう?」
に対する答えの方向を示してくれているような気がします・・・
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