最初に、「ニュートリノは光より速い」というニュースを読んだ時に、関連した投稿を書きました。
今回のニュースは、「ニュートリノは光より速い」ことが再実験で確認された」ということのようです。
でも、やっぱり、これには違和感を感じます。
http://journal.mycom.co.jp/news/2011/11/19/001/index.html
まず、比較の対象がおかしいということ。
初回・今回の発表の記事によると、実験では、光速の理論値 と ニュートリノの実測値 を比較しているように理解できます。
しかし、この比較は奇妙です。
正しい比較は、
- ニュートリノの速度の理論値 と ニュートリノの速度の実測値
- 光の速度の理論値 と 光の速度の実測値
です。
これらの比較が出揃って初めて、光の実測値 と ニュートリノの実測値 が比較できることになります。
こう考えてこの実験を眺めてみると、実は、
- ニュートリノの速度の理論値 と ニュートリノの速度の実測値 の比較でしかない
といえるのです。
そのあたりのことをもう少し詳しく説明します。
相対性理論を正しいと仮定して考えてみます。
- 「あらゆる物質の運動速度は光速度を超えられない」が正しいと考えると、計測したニュートリノの速度は、光速と等しいか、それ以下である
ということが、大前提となります。
つまり、相対性理論を大前提において考えると、この実験で分かることは、
- 実際の光速は、これまで言われていた速度よりも速かった
ということです。
光速とニュートリノの速度を比較するには、ステップが抜けているのです。
(「論理の飛躍」というやつです。数学者に論文を見てもらえば、そのあたりはすぐに指摘されるのではないかと想像します。)
早い話、
- 媒体によって影響を受けにくいとされているニュートリノの速度を測定することで、媒体によって変化する光速を表わす数式の係数を算出するデータを精度高く測定した
ということでしかないと思います。
また、
- 測定機器の動作精度(時計のスタートスイッチとストップスイッチにあたるものを稼動させる精度)
- 時間を測定する時計の測定精度(測定器の動作によって測定される時間の精度)
にも疑問を感じます。
超最新設備を使っているので、そこから発せられる情報を最新科学のように思ってしまいがちですが、これに関しては、どうも思考が科学的ではないように感じるのです・・・。
コメント
これらの実験では、速度の計算に全地球測位システム(GPS)を利用しているらしい。そのあたりも、ちょっと、怪しそうですね・・・。